JRは京浜東北線、鶴見線が利用可能。京急は急行停車駅となっている。JRは1日平均7万人、京急は3万人と利用者は多い。横浜駅から約10分、品川駅へ約20分。交通利便性は非常に高く、駅前には大型商業施設や商店街も充実しています。
それにもかかわらず、鶴見駅は川崎や武蔵小杉、横浜駅周辺ほど話題になることは多くありません。
「工場の街」「外国人が多い街」といったイメージを持つ人もいますが、実際に歩いてみると、その印象とは異なる魅力が数多く見えてきます。
駅前には歴史ある總持寺、複数の大型商店街、再開発エリア、そして横浜市内でも有数のバスターミナルが集まり、生活利便性は非常に高い駅です。
今回は、そんな**「実力のわりに評価されにくい街」**鶴見駅を、駅前ウォッチャーズが歩いて徹底調査しました。

駅ビルの中に改札があり大きなターミナルとなっている
駅名の由来
鶴見駅の駅名は、古くから使われてきた「鶴見」という地名に由来します。
由来にはいくつかの説がありますが、有名なのは源頼朝がこの地で鶴を放ったことから「鶴見」と呼ばれるようになったという伝説です。一方で現在では、「ツル」は川の流れがゆるやかな場所や水辺を、「ミ」は周辺を意味し、蛇行する鶴見川の地形を表した地名とする説が有力とされています。古くから水運とともに発展してきた鶴見らしい由来といえるでしょう。
街の住みやすさを評価
💰家賃相場 ★★★★☆ やや高めもコスパ良い
🚃交通利便性 ★★★★★ 東京横浜方面1本。空港アクセスも良い
🚗車利用 ★★★★☆ 第一京浜近い。首都高入り口もアクセス良し
🛒ショッピング ★★★★☆ 日常生活系は充実。大型ファッション施設は少なめ
🍜グルメ ★★★★★ 個人店から全国チェーンまで幅広く充実
🛡️災害安全度 ★★★★☆ 鶴見川沿いだが治水対策が進み、土砂災害リスクも低い
🏥生活インフラ ★★★★★ 商店街・商業施設・病院が充実。總持寺の存在も〇
鶴見駅周辺の家賃相場
| 間取り | 家賃相場 |
|---|---|
| ワンルーム | 約8.0~8.8万円 |
| 1K | 約8.9~10.2万円 |
| 1LDK | 約13.9~14.5万円 |
| 2LDK | 約22万円前後 |
利便性とのバランスを考えれば、コストパフォーマンスの高いエリア
こんな人におすすめ!居住者タイプ別評価
単身男性 ◎ 家賃良し、外食充実
単身女性 ◎ 夜でも人通り多目。歓楽街は小規模
カップル ◎ 交通利便性・買い物充実
ファミリー ◎ 道路整備され安心。教育施設充実
学生 ◎ 付近に大学あり。物件も環境も向く
高齢者 〇 やや賑やかな街も、使い勝手良し
外国人 ◎ 外国人に親しまれた歴史長い
万人向けの駅前。総合力ではトップクラス。
商店街・商業施設
【ベルロード鶴見】(鶴見銀座商店街)
銀座という名前の商店街は流行らない法則に反して充実。電線が地中化、歩道整備、車通りも少なく景観も美しい。混雑もそれほどない快適な商店街。飲食・スーパー・病院など充実の活きた商店街。




【豊岡商店街】
鶴見駅西口から延びる豊岡商店街は、鶴見を代表するメインストリートの一つです。
ベルロードと比べると交通量はやや多いものの、歩道がしっかり整備されており、歩きやすさは十分。昼夜を問わず人通りがあり、街の活気を感じられます。
商店街には個人経営の飲食店や昔ながらの専門店に加え、スーパーやドラッグストア、コンビニ、全国チェーン店などもバランス良く並びます。日常の買い物から外食まで、この商店街だけで完結できるほど利便性が高いのも魅力です。




【レアールつくの商店街】
鶴見駅西口から徒歩数分の場所にあるレアールつくの商店街は、全長約300mのアーケード商店街。
昔ながらの下町の雰囲気が色濃く残るノスタルジックな商店街。シャッターを閉めた店舗も見られますが、その独特の景観が魅力となっています。
テレビドラマやCMなどのロケ地として利用されることも多く、知る人ぞ知るスポットとなっています。




「怪物くん」「家政婦のミタ」「僕たちがやりました」「劇場版おっさんずラブ」「au Pay(CM)」
「いきものがかり『ラストシーン』(Music Video)」「リライブシャツ(CM)」「MEGABIG(CM)」など数多くのロケ地として利用されている
【CIAL鶴見】
JR鶴見駅に直結するCIAL鶴見は、鶴見駅を代表する駅ビル。
食品やファッション、雑貨、飲食店など幅広い店舗が揃い、おしゃれさと利便性を兼ね備えた鶴見を代表する商業施設です。


【シークレイン】
鶴見駅東口の再開発で誕生した大型複合施設。超高層マンションを中心に、飲食店やクリニック、商業施設、ホールなどが集まり、駅前の利便性を支えています。




【fuga1・2・3、アビバビル】
CIAL鶴見以外にも、駅周辺には「fuga1・2・3」やアビバビルなどの商業ビルが集まっています。
スーパーや家電量販店、100円ショップ、ドラッグストア、クリニック、飲食店などが入り、いずれも駅から徒歩数分とアクセス抜群。日常生活に必要な施設がコンパクトにまとまっており、巨大モールでなくとも非常に使い勝手の良い駅前環境となっています。




見どころ・散歩スポット
【總持寺】
曹洞宗の大本山總持寺。境内面積だけで言えば川崎大師の数倍という圧倒的スケールを誇る鶴見を代表する名所。石原裕次郎やアントニオ猪木のお墓もあることでも有名です。広大な境内には壮大な伽藍が立ち並び、駅前の賑わいとは対照的な静寂と歴史を感じられる空間が広がります。四季折々の景色も美しく、散策スポットとしても人気です。




散策するだけでもそのスケールに圧倒されます。境内を一周すると30~60分ほどかかります。
【鶴見神社】
鶴見駅から徒歩約3分。推古天皇の時代に創建されたと伝わる「川崎・横浜間最古の神社」ともいわれる歴史ある神社。地元の人々から「鶴見の総鎮守」として親しまれています。


💡【鶴見駅前の謎 その1】なぜ川崎駅の隣なのにこれほど栄えたのか?
京浜東北線の隣駅は巨大ターミナル・川崎駅。一般的には、このような巨大駅の隣駅は商業機能が吸収され、駅前はあまり発展しないケースが多く見られます。しかし鶴見駅前は、大型商業施設や長大な商店街が並ぶ独自の繁華街を形成しています。その理由は大きく3つ考えられます。
① 京浜工業地帯の中心として発展が著しすぎた
川崎・鶴見臨海部には日本有数の工業地帯が形成され、長年にわたり多くの企業と労働者が集まりました。巨大な雇用人口と住宅需要は川崎駅前だけでは収まり切れず、鶴見駅前の発展を支えた最大の要因と言えるでしょう。
② 鶴見川が都市圏を分けた
川崎駅と鶴見駅の間には鶴見川が流れています。この地形的な区切りによって生活圏が分かれ、都内側は川崎駅、横浜側は鶴見駅を利用する人が多くなりました。その結果、鶴見駅も独立した商圏として発展したと考えられます。
③ 丘陵地が巨大バスターミナルを生んだ
鶴見駅西側には丘陵地帯が広がり、鉄道路線を延ばしにくい地形でした。そのため、住宅地から駅へ向かうバス路線が発達し、全国的にも有名な巨大バスターミナルとなり駅前が発展した
これらが組み合わさった結果、「巨大駅・川崎の隣駅」でありながら、鶴見は独立した商業都市として発展した
💡【鶴見駅前の謎 その2】なぜ鶴見駅はバス王国なのか?
JR鶴見駅は、横浜市内でも有数のバス路線が集まる駅です。駅前には巨大なバスターミナルが整備され、朝夕には次々とバスが発着しています。では、なぜここまでバスが発達したのでしょうか?




バスの多さではTVで取り上げられるほど。路線の数も多いが、それぞれの本数もかなりの数がある。
① 駅西側が丘陵地帯だから
鶴見駅西側には馬場、東寺尾、北寺尾、獅子ヶ谷、上末吉などの丘陵住宅地が広がっています。坂道が多く徒歩や自転車での移動が大変なため、バスが生活に欠かせない交通手段となりました。

フラットな東に対して西は標高30m超えも多く存在する丘陵地帯
② 鉄道を延ばしにくい地形だった
西側は起伏が大きく、鉄道路線を新設するにはコストがかかります。そのため鉄道ではなく、柔軟に路線を設定できるバス網が発達しました。
③ 臨海部への通勤需要が大きかった
東側には京浜工業地帯が広がっていますが、工場は鶴見線の駅前だけに集中しているわけではありません。臨海部には広大な工場群や物流施設が点在しており、最寄り駅から離れた事業所も多いため、鶴見駅から各工場へ向かうバス路線が数多く整備されました。そのため、工場勤務の人でも鶴見線ではなくバスを利用するケースが少なくありませんでした。
💡【鶴見駅前の謎 その3】なぜ駅前にタワーマンション1棟しかないのか
鶴見駅前で唯一のタワーマンション「ロイヤルタワー横濱鶴見」は、東口再開発「シークレイン」の一環として誕生しました。
地元では、「この再開発地区だからこそ超高層マンションが実現できた」「地元の不動産デベロッパーナイスが社運をかけたプロジェクトだった」とも語られています。実際、その後15年近く経った現在でも、駅前に同規模のタワーマンションは建設されておらず、地元不動産屋の話では鶴見区内では建てることができないだろうと言われており、その希少性は際立っています。


遠方からでも圧倒的な存在感を放つ鶴見駅前のランドマーク。駅前唯一のタワーマンションという希少性を持ちながら、売り出し価格は近隣の人気タワーマンションほど高騰していないケースもあり、穴場物件として注目する人も少なくありません。
💡【鶴見駅前の謎 その4】なぜ川崎市鶴見区と間違えられてしまうのか
「鶴見って川崎市ですよね?」
鶴見に住む人なら、一度は聞かれたことがあるかもしれません。しかし、鶴見区はれっきとした横浜市鶴見区です。横浜市区制施行時に誕生した「最初の5区」の1つでありながら何故これほど間違えられるのでしょうか?
1.川崎駅のすぐ隣という立地
京浜東北線では川崎駅の隣駅。駅間距離も短く、市街地がほぼ連続しているため、県外の人から見ると「川崎の一部」という印象を持たれやすいです。
2.京浜工業地帯として一体的に発展
臨海部には工場群が広がり、川崎市と鶴見区は長年にわたり京浜工業地帯の中心として発展してきました。そのため、「川崎・鶴見」とセットで語られることが多く、境界を意識する機会が少なくなっています。
3.横浜らしさより川崎らしさを感じる街並み
横浜駅やみなとみらいのような港町のイメージとは異なり、工場・商店街・下町文化が色濃く残る街並み。その雰囲気から、横浜市というより川崎市を連想する人も少なくありません。
実は横浜市で最も川崎らしく、川崎市民にも最も身近な横浜。それが鶴見なのかもしれません。
💡【鶴見駅前の謎 その5】なぜこれだけのポテンシャルあるのに人気がないのか
鶴見駅は、交通利便性の良さ、大型商業施設や巨大バスターミナルや全国有数の寺院である總持寺もあり、非常に魅力ある駅です。にもかかわらず、武蔵小杉や川崎、横浜ほど注目されることはありません。
その理由として考えられるのは次の点です。
① 工業地帯のイメージが強い
京浜工業地帯の中心として発展した歴史から、「工場の街」という印象が今でも根強く残っています。実際には住宅地や商業施設も充実していますが、工業地帯のイメージが先行している面があります。
② 横浜にも川崎にも”隠れてしまう”存在
横浜駅と川崎駅という全国的に知名度の高い巨大駅に挟まれ、存在感が薄くなりがちです。「横浜に行けばいい」「川崎で十分」と思われやすく、鶴見自体が目的地になりにくい立地です。
③ 魅力があまり知られていないだけ
横浜市が行った調査でも、区外の人からは「どんな街かわからない」「特にイメージがない」という回答が最も多く、「鶴見区は川崎市?横浜市?」という声までありました。一方で、実際に訪れた人からは「住みやすい」「アクセスが良い」「徒歩圏で何でもそろう」といった評価も多く、認知度と実力にギャップがあることが分かっています。
知る人ぞ知る”穴場駅”と言えるでしょう。
まとめ
リサーチを始める前から「ポテンシャルの高い駅なのでは」と感じていましたが、調べれば調べるほど、その印象は確信へと変わりました。
鶴見駅は交通利便性、買い物環境、商店街、歴史、生活インフラなど、どれを取ってもバランスが良く、老若男女や国籍を問わず住みやすい街だと感じます。実際、鶴見区は人口約30万人を抱える横浜市有数の人口規模で、現在も人口は増加傾向にあり、平均年齢も比較的若い区です。
さらに、都心や横浜へのアクセスを考えると家賃相場も比較的抑えられており、首都圏でも屈指の「穴場駅」と言えるのではないでしょうか。
一方で、武蔵小杉や川崎駅前のように人口が急激に集中しているわけではなく、街全体にはどこかゆとりが感じられます。この絶妙なバランスこそが鶴見駅最大の魅力であり、今後もこの住みやすさを維持してほしいと感じました。
駅前ウォッチャーズ評価としては、鶴見駅は「知名度以上の実力を持つ駅」。派手さはありませんが、一度その魅力を知ると「なぜもっと評価されないのだろう」と思わせてくれる、そんな実力派の街でした。


