【港町駅の謎 その2】競馬場の最寄駅なのに、なぜ「競馬の街」にならなかった?

謎

港町駅の南口を出ると、すぐ近くにあるのが川崎競馬場です。

川崎競馬場の公式案内でも、港町駅から徒歩3分。第1入場門へは港町駅からのアクセスが便利と案内されています。

つまり港町駅は、紛れもなく「川崎競馬場の最寄駅」です。
ところが実際に駅を降りてみると、少し不思議な感じがします。

競馬新聞を売る店が並んでいるわけでもない。
飲み屋街が形成されているわけでもない。
駅前に大きく「川崎競馬場はこちら!」という雰囲気が広がっているわけでもありません。

競馬場の最寄駅なのに、なぜ港町駅は“競馬の街”にならなかったのでしょうか?

理由① 川崎駅から歩けてしまう

まず大きいのが、川崎競馬場の立地です。

最寄駅は港町駅ですが、京急川崎駅から徒歩12分、JR川崎駅からでも徒歩15分ほど。
川崎駅からそのまま歩いて競馬場へ向かうことができます。

川崎駅周辺には飲食店や居酒屋、娯楽施設が大量にあります。

そのため競馬の前後に飲食や買い物をするなら、わざわざ港町駅前に店が集まらなくても、川崎駅周辺で需要を吸収できてしまいます。

港町駅は「最寄駅」ではあっても、競馬場へ行く人が必ず使う駅ではなかったわけです。

 

理由② 道路を挟んで街が分かれている

もう一つ、実際に歩いて感じるのが駅前と競馬場の幹線道路による分断です。

港町駅側には住宅地やタワーマンション「リヴァリエ」があり、競馬場は道路を挟んだ反対側。

距離は近いのですが、街並みとして見ると

道路の駅側=住宅・生活圏
道路の向こう側=川崎競馬場

という印象があります。

競馬場と商店街がそのまま連続しているような街ではなく、巨大な競馬場が独立した施設として存在しているため、競馬場の雰囲気が駅前まで広がりにくかったのかもしれません。

 

理由③ 競馬開催日だけでは商売が成り立ちにくい

そして一番大きいのが、競馬が毎日開催されているわけではないことです。

2026年度の川崎競馬を見ると、基本的には1回の開催が4〜5日間。例えば4月6日〜10日、5月11日〜15日、6月15日〜19日、7月6日〜10日といった形で開催されています。

つまり競馬客を目当てに港町駅前で飲食店や娯楽施設を出したとしても、競馬開催日は賑わっても、それ以外の日の需要をどう確保するかという問題が出てきます。

しかも少し歩けば巨大繁華街の川崎駅があります。

これでは競馬需要だけを頼りに、港町駅前に大きな歓楽街や商店街が育つのは難しそうです。

 

最寄駅だからといって「競馬の街」になるとは限らない

港町駅は川崎競馬場の最寄駅です。

しかし、

川崎駅からも徒歩圏内
道路によって競馬場と生活圏が分かれている
競馬開催日だけでは継続的な商売需要が弱い

という条件が重なっています。

その結果、競馬場が目の前にありながら、港町駅前には「競馬の街」が形成されなかったのではないでしょうか。

むしろ競馬客向けの飲食や娯楽需要は、巨大繁華街である川崎駅周辺に吸収されている。

競馬場は港町にある。でも「競馬の街」は川崎駅側に吸収されてしまった。

港町駅前を歩いて感じる不思議な距離感には、そんな街の構造が関係していそうです。

 

競馬好きの人には魅力ある駅前

普段はタワーマンションや住宅が並ぶ落ち着いた生活圏として過ごしながら、競馬開催日には歩いてすぐ川崎競馬場へ行ける。しかも「J-PLACE川崎」としてJRAの馬券も発売しています。

「競馬場の街に住む」のではなく、「競馬場を日常のすぐ隣に置いて暮らせる」。

競馬好きの人にとっては、この距離感はかなり魅力的かもしれません。

港町と川崎競馬場を分断する道路

川崎競馬場と港町駅側を分断する幹線道路国道409号(府中街道)。
府中と言えば東京競馬場を連想してしまいますが、もちろん無関係。偶然にしてはできすぎですね。

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