【大倉山駅前の謎 その2】駅前商店街がなぜ洋風なのか?

謎

大倉山駅の西口を出ると、白い壁や柱が並ぶ少し不思議な商店街があります。ここは「大倉山エルム通り商店街」。なぜ住宅地の駅前に、ギリシャの街のような景観が広がっているのでしょうか。

理由は、丘の上にある大倉山記念館です。

大倉山記念館は1932年に大倉精神文化研究所の本館として建てられました。古代ギリシャ以前のクレタ・ミケーネ文明を意識した、プレ・ヘレニック様式の建物で、白い柱が印象的です。

1988年、当時「さかえ通り」と呼ばれていた西口商店街は、大型店の進出などで厳しい状況にありました。そこで商店会は、記念館をまちのシンボルに据え、通りの景観をギリシャ風に統一することを決定します。

店舗を道路から後退させて歩道を整備し、白い壁と装飾柱を取り入れ、電線も地中化。こうして生まれたのが、現在の大倉山エルム通りです。「エルム」はギリシャ語で商業の神を意味し、アテネ市のエルム通りとも姉妹提携を結んでいます。

つまり、この洋風の商店街は単なる飾りではありません。大倉山記念館の個性をまち全体に広げ、商店街の魅力をつくり直した、地域ぐるみの再生プロジェクトだったのです。

駅前から少し歩けば、日常の商店街の先に白亜の大倉山記念館が見えてきます。そのつながりを意識すると、大倉山の景色は少し違って見えるかもしれません。

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