横浜市鶴見区にある京急本線・鶴見市場駅。1日平均利用者数は約2.0万人である。駅の区分としては幹線道路並行型である。線路と並行して走る幹線道路の間のみの商圏となり、発展はしにくい街である。
京急川崎と京急鶴見という大きな駅に挟まれた小さな駅で、駅前にロータリーも大型商業施設もありません。
しかし街を歩いてみると、「市場銀座商店街」の看板、昔ながらの細い道路、寺社、そして住宅地のすぐ横を走る京急線など、どこか懐かしい風景が残っています。
そして何より気になるのが駅名です。
「鶴見市場」というからには、昔ここに市場があったのでしょうか?
調べてみると、この「市場」という地名はかなり古く、かつて海が近かった時代の鶴見の姿までさかのぼります。
今回は鶴見市場駅を歩きながら、駅名に残された「市場」の謎と、現在の街の姿を探ってみました。


住宅街の一角にあるような駅入り口。改札口も大きくはない。
鶴見市場駅はどんな駅?
駅タイプ
幹線道路並行型→鉄道と幹線道路が並んで走り、商業エリアが狭い駅前
路線・乗車人員
京急本線 1日平均利用者数は約2.0万人(2024年)
鶴見市場駅の名前の由来は?
鶴見市場を訪れたら、やはり最初に気になるのが駅名です。現在の駅前を見ても、大規模な市場らしい施設は見当たりません。
しかし「市場」は比較的新しく付けられた名称ではありません。
京急によると、この付近にはかつて海があり、漁業や製塩業で暮らす人が多かったとされています。そして天文年間(1532~1554年)ごろになると、海産物を売買する「市」が開かれるようになったことから「市場」という地名になったと伝えられています。
鶴見市場の「市場」は、現代の卸売市場などを意味しているわけではなく、約500年前の「市」の記憶だったのです。
現在は海岸線も遠くなり、住宅やマンションが建ち並ぶ街ですが、「鶴見市場」という駅名だけは、この場所が海とともに暮らしていた時代を今に伝えています。


駅前の風景。市場どころかここに市場があったんだろうなと感じる場所すらない。
鶴見市場駅前を歩いてみる
鶴見市場駅前の住みやすさを評価
💰 家賃相場 ★★★☆☆
川崎・鶴見に近い割には比較的狙いやすい。
🚃 交通利便性 ★★☆☆☆
京急川崎・京急鶴見近いが各停のみ
🚗 車利用 ★★★☆☆
第一京浜がすぐ。首都高までもまずまず
🛒 ショッピング ★★☆☆☆
コンビニ、ドラッグストアはあるが、スーパーがないのが不便
🍜 グルメ ★★☆☆☆
割と飲み屋系は多いが、シャッター状態もみられる
🌊 災害安全性 ★★★☆☆
鶴見川そばでハザードマップにかかる
🏥 生活インフラ ★★☆☆☆
公園・役所がなく、病院も少なめ
駅前だけ採点すると低得点。でも住民は多く、味がある街。
鶴見市場駅周辺の商店街・商業施設
【市場銀座商店街】
鶴見市場駅東側に広がる昔ながらの商店街。駅前ウォッチャーズの法則〇〇銀座はシャッター街になりやすいに当てはまってしまいます。しかし、まったく稼働してないわけではなく個人商店や飲食店が、味を出して営業してます。地域密着型の店が多く駅前から三方向へ伸びる道路と昔ながらの街並みは、鶴見市場らしい味わいのある風景です。




レトロな雰囲気あふれる街並み。その中にも利用価値ある店を探す楽しみがある街。
鶴見市場駅周辺の見どころ・散歩スポット
【横浜熊野神社】
鶴見市場駅近くに鎮座する歴史ある神社。明治5年(1872年)の東海道線敷設に伴い現在地へ移されたという珍しい歴史を持つ。毎年8月には例大祭も行われ、地域の氏神として現在も親しまれている。


旧東海道沿いにある由緒ある神社。古い建物は味がある。
鶴見市場駅前の謎
【鶴見市場駅前の謎 その1】なぜ市場がなくても市場という名前がずっと使われてきたのか
鶴見市場駅に降りても、肝心の「市場」はどこにも見当たりません。では、なぜ現在まで「市場」という名前が残っているのでしょうか。
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【鶴見市場駅前の謎 その2】駅近くのゴム通りにゴム感が全くないのはなぜ?
鶴見市場駅から第一京浜方面へ歩くと、「ゴム通り」と呼ばれる道路があります。ところが実際に歩いてみても、タイヤ屋さんが並んでいるわけでもなければ、ゴム工場があるわけでもありません。では、なぜ「ゴム通り」なのでしょうか?
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【鶴見市場駅前の謎 その3】熊野神社はなぜ移動した?
鶴見市場駅からほど近い住宅街にある「横浜熊野神社」。実はこの神社、最初から現在の場所にあったわけではありません。では、なぜ神社をわざわざ移動させたのでしょうか?
【鶴見市場駅前の謎 その4】箱根駅伝の鶴見中継所は、なぜここにある?
箱根駅伝の往路最初の中継地点「鶴見中継所」。名前は鶴見ですが、実際は鶴見市場駅前にあります。もちろん区間距離の都合もあるでしょう。しかし2区は1区より長く、「花の2区」と呼ばれてきた区間。距離だけなら、もう少し鶴見駅寄りでもよさそうです。ではなぜここなのでしょう?
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鶴見市場駅前の今後・再開発
何百年という歴史の名残を見せる鶴見市場駅。現在のところ街を大きく変えるような再開発計画は見当たりません。
駅周辺はすでに住宅や商店が密集し、第一京浜沿いもまとまった土地が少ないため、大型商業施設や大規模な駅前開発が行われる可能性は低そうです。
一方で、川崎・鶴見に近い立地から住宅需要は今後も期待できます。鶴見区自体も人口約30万人で、横浜市内でも人口が多く、現在も増加傾向にあります。
そのため鶴見市場は、古い建物が少しずつマンションなどへ建て替わりながら、現在の街並みを残した住宅地として更新されていく可能性が高いでしょう。
大きく化ける街ではないかもしれませんが、昔ながらの商店や三叉路の街並みを残しつつ、新しい住宅が混ざっていく――。
「再開発されないことも、この街の味」
そんな鶴見市場らしい変化を続けていきそうです。
まとめ
評価では割と厳しめの採点になってしまった鶴見市場。しかし実際に歩いてみると、昔ながらの商店や飲食店が残り、駅東側に広がる独特の街並みなど、どこか味のある個性的な駅前だと感じました。
管理人まちお的には、結構アリな駅前です。
旧東海道の名残を感じる街並みの中で暮らしながら、川崎と鶴見の両方を生活圏として使える立地も魅力。駅前の便利さだけでは測れない、知る人ぞ知る穴場駅なのかもしれませんね。
おまけ


シンプルな駅舎。踏切と線路の距離が近く、急行通過時はちょっと怖いですね。


恒例のランチ。飲み屋かねイシでいただきました「豚焼肉定食」1,200円。これだけでもおなか一杯なのに、追加でうどんもついてきました!

